プロメーテウス

分 類ギリシア・ローマ神話
名 称 Προμηθεύςpromētheús〕(プロメーテウス)《先に考える者》【古代ギリシア語】
容 姿若い男性神。
特 徴天界から火を盗んで人類に与えた。
出 典ヘーシオドス『テオゴニアー』(前7世紀)など

プロメーテウス、人類のために火を盗み出す!?

プロメーテウスはギリシア・ローマ神話に登場するトリックスター的な神。古い神々であるティーターン族の1柱であるイーアペトスの息子で、兄弟にはアトラースやエピメーテウスがいる。ゼウスに逆らって天界の火を盗んで人類に与えた。

ゼウスが神と人間を区別しようと考えたとき、プロメーテウスは自らその役割を買って出た。彼はウシを殺して2つに分け、一方は肉を食べられない皮で包み、もう一方は骨を美味しそうな脂身で巻いた。そしてゼウスに神々の取り分を選ばせた。ゼウスは騙されて美味しそうな脂身を選択したため、人間の取り分は食べられる肉になったとされる。あるいはゼウスは全てを承知した上で、神々を不死なる存在とするために敢えて骨を選択し、以降、腐る肉を選択した人間は死すべき存在になったのだという。

プロメーテウスは人間が火を取り上げられ、寒さに震えているのを哀れみ、鍛冶の神ヘーパイストスの作業場に忍び込むと、炉の火をオオウイキョウと呼ばれる草に点火して、地上に持ち込み、人々に火を与えた。これによって、人類は文明を築き、多くの技術を発明することができるようになった。一方で、人類は火を使って武器をつくり、戦争は激化した。このため、しばしば、原子力などリスクの大きな科学技術のことを「プロメーテウスの火」と表現したりする。

プロメーテウスが人類に火を与えた罰として、ゼウスはプロメーテウスをカウカーソス山の山頂に縛りつけた。そして、巨大なワシが毎日、プロメーテウスの肝臓をついばんだ。プロメーテウスは不死であるため、肝臓は夜中のうちに再生するため、プロメーテウスは地獄のような責め苦を毎日、繰り返さなければならなかった。その後、英雄ヘーラクレースがエリュマントスのイノシシを生け捕りにしようと旅をしているときにプロメーテウスは解放されたとされる。

《参考文献》

Last update: 2022/04/24

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