大入道(おおにゅうどう)

分 類日本伝承
名 称 大入道(おおにゅうどう)【日本語】
容 姿大きな入道姿の妖怪。
特 徴大きな姿を見せて驚かせる。
出 典

大きな姿を見せて驚かせる!?

大入道(おおにゅうどう)は日本各地で知られる妖怪。単に「大きな入道姿の妖怪」なので、地域によってさまざまな特徴がある。伸縮自在とされ、夜道などで遭遇すると、いつの間にか大きくなって驚かせる。あるいは屋根の上などから見下ろして驚かせる。見越し入道に似た存在と言える。

北海道の支笏湖の風不死岳(ふっぷしだけ)では、アイヌ集落に現れ、大きな目玉で睨みつけたという。睨まれた人は気が触れて卒倒したという。

富山県の黒部峡谷では、五、六丈(約15~18メートル)もの大きさの大入道が、美しい七色の後光とともに16体も出現し、鐘釣温泉の湯治客を驚かせたという。

徳島県では、二丈八尺(約8.5メートル)の大入道が小川の水車のところに現れ、水車を踏んで米を搗いてくれるという。しかし、その姿を見ようとすれば脅かされるという。

いずれにしても、大きな姿で驚かす存在で、その正体はキツネやタヌキが化けているとか、石塔が化けているなどとされることも多い。実際、岩手県の高伝寺では、毎晩、寺に怪し火とともに大入道が現れ、あるとき、雪の上のイタチの足跡を追っていくと巣があり、古イタチを殺すと、大入道が現れなくなったという伝承が残されている。また、宮城県の伊勢堂山にも毎晩、大入道が出没したが、あるとき、伊達政宗がその大きさに恐れることなく足元を狙って射たところ、その正体はカワウソだったとされる。

ちなみに、鐘釣温泉に出現した16体の大入道は七色の後光とともに出現しているため、ブロッケン現象の一種であると解釈されている。

《参考文献》

Last update: 2024/09/15

サイト内検索