お歯黒べったり

分 類日本伝承
名 称 お歯黒べったり(オハグロベッタリ)【日本語】
容 姿目も鼻もなく、お歯黒を塗った大きな口だけがある女性。
特 徴お歯黒を塗った大きな口だけを見せて驚かせる。
出 典竹原春泉斎『絵本百物語』(1841年)ほか

目も鼻もなく、お歯黒をべったりと塗った口だけが……!?

お歯黒べったりは『絵本百物語(桃山人夜話)』(1841年)に登場する女性の妖怪。角隠しをつけて着物を着た女性で、美しい女性だとばかりにうっかり声を掛けてみたら、振り返ったその顔には目も鼻もなく、ただお歯黒をつけた大きな口だけがついていて、げらげらと笑ったという。『絵本百物語』によれば、これものっぺら坊の一種なのだと言う。

或人古き社の前を通りしにうつらかなる女の伏拝み居たれば戯れ云て過んとせしに彼女の振むきたる顔を見れば目鼻なく口計り大きくてげらげらと笑ひしかほ二目と見るべきやうもなし

『絵本百物語』「第二十三 歯黒べったり」より

《参考文献》

Last update: 2022/08/13

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