ナーン・マーイ

分 類タイ伝承
名 称 นางไม้Nang Mai〕(ナーン・マーイ)《樹木婦人》【タイ語】
容 姿伝統的なタイの衣装を着た女性。
特 徴樹木に宿る。木を切り倒すと呪われる。
出 典

勝手に木を切ると呪われる!?

ナーン・マーイは、タイの樹木に宿る女性の精霊である。タイでは、彼女たちが宿っている樹木を勝手に切り倒すと呪われ、病気になったり、気が触れたりすると信じられている。ナーン・マーイが宿っている木には、目印として三色布*が巻きつけられた。樹木を伐採するときには、ナーン・マーイに祈りを捧げ、許可を得る。

ナーン・マーイの中で、特に巨木として知られるタキアンの木に宿るものはナーン・タキアン、バナナの木に宿るものはナーン・ターニーと呼ばれる。ナーン・マーイは特に木の種類を問うわけではないようだ。

ナーン・マーイは、樹木の誕生とともに自然発生的に生まれてくる精霊というよりは、死者の霊が死後、樹木に宿った存在として捉えられているようだ。死者の霊が強ければ強いほど、大きな樹木に宿るという。ナーン・マーイは女性だが、男性のものはルッカデーヴァと呼ばれ、こちらはガジュマルの木などに宿ると信じられている。

* 三色布は、タイ語ではผ้าสามสี(パーサームシー)と呼ばれている。赤、緑、黄色の3色が一般的。シルク地で長く、幹をぐるりと1周巻きつける。

宝くじの当選番号を教えてくれる!?

タイでは昔から宝くじが盛んだが、近年、ナーン・マーイが宝くじの当選番号を教えてくれる存在としても崇拝されている。各所に宝くじの当選番号を教えてくれる神木があって、三色布が巻かれている。線香を供えて当選を祈ると、当選番号を教えてくれることがあるらしい。当たった場合には、お礼にドレスを彼女に捧げる必要がある。たくさんのドレスが吊るされている神木(タキアンの木が多い)もある。

《参考文献》

Last update: 2024/04/29

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