ナンム
分 類 | メソポタミア神話 |
---|---|
𒀭𒇉 〔d.namma〕(ナンム、あるいはナンマ)《原初の水》【シュメル語】 | |
容 姿 | 姿の詳細は不明。 |
特 徴 | 原初の水の女神。アン(天)とキ(地)を産んだ。エンキの母。 |
出 典 | 『エンキとニンマフ』 |
原初の海の女神!?
ナンム(あるいはナンマ)はシュメル神話の水の女神。エリドゥ市の神々と関連づけられる非常に古い神格だが、現在でもよく分かっていないことは多い。「原初の海」を象徴する神格で、「アン(天)とキ(地)を誕生させた母」という称号を持っている。また、『エンキとニンマフ』でも「全ての神々の母なる祖」と表現されている。
『エンキとニンマフ』では、下級の神々が運河を建設し、農作業をしていたが、この苦役に不満を覚えて、ストライキが起きた。ナンムはエンキの母として、神々の労働を代わる人間の創造を提案している。
ウル第3王朝(前22世紀~前21世紀)の初代王であるウル・ナンムは、自らを「女神ナンムの召使」と称した。
ナンムは古いシュメルの神話にはその名前が言及されるが、すでにアッカド神話の時代にはその重要性を失っている。『エヌマ・エリシュ』に登場するティアマトの原型になったとされている。
《参考文献》
- 『古代メソポタミアの神々 世界最古の「王と神の饗宴」』(監:三笠宮崇仁,著:岡田明子/小林登志子,集英社,2000年)
Last update: 2020/07/24