ミーミル
分 類 | 北欧神話 |
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Mímir(ミーミル)【古ノルド語】 | |
容 姿 | 首だけの巨人。 |
特 徴 | 知恵と知識が隠されている泉の守護者。オージンの助言者。 |
出 典 | スノッリ・ストゥルルソン『散文のエッダ』(13世紀頃)、『詩のエッダ』(13世紀頃)ほか |
オージンも信頼する知恵の巨人!?
ミーミルは北欧神話で知恵と知識の泉を守護する巨人。世界樹ユッグドラシッルは3本の大きな根に分かれているが、そのうちの1本は霜の巨人の国へ伸び、根の根元には知恵と知識が隠された泉がある。この泉はミーミルが所有しているため「ミーミルの泉」という意味でミーミスブルンと呼ばれている。貪欲に知識を求める北欧神話の最高神オージンは、この泉の水を一口飲みたいとミーミルに頼んだが、その代価として片方の眼を求められた。これに応じ、片目と引き換えに知識を得たため、オージンは片目なのである。
その昔、オージン率いるアース族と、別の神々であるヴァン族との間に戦いが起こり、その和睦の際に、アース族は人質としてミーミルとヘーニルをヴァナヘイムに差し出した。ところが、優秀だと触れ込みのヘーニルは常に優柔不断でいつもミーミルと相談ばかりしていて、まるで期待したような神でなかった。ヴァン族は腹を立て、ミーミルの首を刎ね、アース族の元へとミーミルの首を送り返した。オージンはその首に薬草を塗って生き返らせると、さまざまな知識を語らせた。以来、ミーミルはオージンの相談役になった。ラグナロクのときにも、オージンは真っ先にミーミルに助言を求めるという。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2019/11/10