マガツヒ
分 類 | 日本神話 |
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八十禍津日神(ヤソマガツヒノカミ)〔記〕【日本語】 大禍津日神(オホマガツヒノカミ)〔記〕【日本語】 八十枉津日神(ヤソマガツヒノカミ)〔紀〕【日本語】 | |
特 徴 | 災厄の神。 |
出 典 | 『古事記』(8世紀頃)、『日本書紀』(8世紀頃)ほか |
死者の穢れを擬人化した災厄の神
マガツヒは記紀神話に登場する災厄の神。死者の穢れを擬人化した神で、イザナキが黄泉の国から帰ってきたときに、その穢れを祓ったときに生まれたという。『古事記』では二人のマガツヒが言及されていて、八十禍津日神(ヤソマガツヒ神)と大禍津日神(オホマガツヒ神)が生まれたと説明されている。『日本書紀』では八十枉津日神(ヤソマガツヒ神)だけが言及されている。マガツヒが誕生した後に、その災厄を直すためにナホビが誕生している。ナホビは災厄を祓う禊祓いの神であると考えられている。
後代、災厄を祀ることで、災厄から逃れられるという発想で、マガツヒは厄除けの神として信仰されるようになり、しばしばナホビと一緒に祀られるようになった。
江戸時代に『古事記』などの研究をした本居宣長(1730年~1801年)は、マガツヒを悪神として、この世の不条理を彼らの仕業とした。一方、平田篤胤(1776年~1843年)はマガツヒを善神とし、悪を悪だと認識する人間の心を司る神とした。悪に直面したときに憤る心はマガツヒによって喚起され、そしてナホビによってやがて憤りは鎮められるのだという。
《参考文献》
Last update: 2010/09/27