倩兮女

分 類日本伝承
名 称 倩兮女(けらけらおんな)【日本語】
容 姿着物を着た巨大な女。
特 徴ケラケラと笑って驚かせる。
出 典鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』(1781年)ほか

塀の向こうでケラケラと笑う大女!?

倩兮女(けらけらおんな)は、鳥山石燕の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』(1781年)に描かれている妖怪。塀越しに巨大な着物姿の女が笑っている姿が描かれている。

楚の国宋玉が東隣に美汝あり。垣にのぼりて宋玉をうかがふ。婿然として一たび笑へば、陽城の人を惑せしとぞ。およそ美色の人情をとらかす事、古今にためし多し。けらけら女も朱唇をひるがへして、多くの人をまどはせし淫婦の霊ならんか。

(鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』「雲」)

宋玉(そうぎょく)というのは、美男で知られた文人で「自分は決して好色ではない。隣りに住んでいた国一番の美女が生垣から姿を見せて3年間覗き込んで誘惑してきたが、心を動かしたことは一度もなかった」と言ったとされ、鳥山石燕はこの故事から引用している。そこから、倩兮女を多くの人を惑わす淫婦の霊の一種ではないかと説明している。

けらけらと笑う女の首の化け物は『平家化物たいぢ』など、江戸時代の草双紙などに多数、登場している。鳥山石燕はそれらの妖怪を元に倩兮女を描いたようだ。

なお、昭和・平成の妖怪関連の文献では、通行人に笑いかけて驚かす妖怪とされるが、笑い声は不安を掻き立てるとか、驚けば驚くほど笑い声が大きくなるとか、笑い声は他の人には聞こえないとか、気の弱い人は笑い声を聞いただけで気を失うなどと説明される。

《参考文献》

Last update: 2025/08/31

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