針女(はりおんな)
分 類 | 日本伝承 |
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針女(はりおんな)【日本伝承】 | |
容 姿 | ざんばら髪の女性の妖怪。髪の毛の先はかぎ針のようになっている。 |
特 徴 | 髪の毛で男性を捕まえてどこかに連れ去る。 |
出 典 | - |
かぎ針のような髪の毛で男性を捕まえて連れ去る妖怪!?
針女(はりおんな)は、水木しげるの解説によれば、宇和島(愛媛県南部)の妖怪で、美しく若い女の姿をしている。ざんばら髪で、全身びしょ濡れで、笑いかけてくる。うっかりと笑い返すと、髪の先が伸びてきて、身体に絡みつく。髪の毛の先はかぎ針になっていて、この髪の毛に捕らえられると、どんなに大男でも身動きが取れなくなって、そのままどこかに連れ去られてしまう。
実は、「針女」という名前の妖怪は宇和島の伝承では知られておらず、おそらく水木しげるによる独自の命名である。宇和地方には「濡れ女子」(九州地方の磯女の四国での名前)という妖怪がいて、類似の特徴を持っている。水木しげるが、この「濡れ女子」の中の髪の毛の特徴を強調して「針女」と命名して、妖怪本などで紹介したのだと考えられる。
針女は家の中に逃げ込めば、朝になると消えてしまう。しかし、扉の外には髪の毛でつけたであろう無数の傷跡が残っているという。
《参考文献》
- 『日本妖怪大事典』(編著:村上健司,画:水木しげる,角川文庫,2015年〔2005年〕)
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2023/06/11