グラウィリ
分 類 | フランス伝承 |
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Graoully(グラウィリ)【フランス語】 | |
容 姿 | 巨大なヘビ。後代には翼をはやした竜。 |
特 徴 | メッス市に棲みついた竜。聖クレメンスによって退治された。 |
出 典 | - |
円形劇場に無数のヘビとともに棲まう竜!?
グラウィリはフランス伝承に登場する竜。グラウィリは巨大なヘビの怪物で、無数のヘビとともにメッス市の円形劇場に棲み付き、毒の息を吐いて住民を困らせていた。3世紀頃、聖クレメントはメッス市をキリスト教化しようと派遣されたが、人々はキリスト教に入信する代わりに、竜退治を依頼した。そこで聖クレメンスはミサを行うと、十字架でグラウィリをなだめると、グラウィリの首にストールを巻き付けて、セイヌ川まで連行した。そして、この町の人々に悪さをしない約束をさせて町から追い払った。あるいは、後代の伝承では、セイヌ川に沈めて退治したとされる。
ルーアン市で聖ロマヌスに退治されたガルグイユや、タラスコン市で聖女マルタに退治されたタラスクなど、フランスの他の竜退治に影響を及ぼしたとされる。10世紀頃にはグラウィリをかたどった山車を運ぶ祭りが開催されていた記録が残されている。この点はタラスクと同様である。
《参考文献》
Last update: 2021/03/07