共工(ゴンゴン、きょうこう)

分 類中国伝承
名 称 共工〔gònggōng〕(ゴォンゴォン)【中国語】
容 姿人面蛇身。朱色の髪。
特 徴洪水を引き起こす悪神。時の為政者に反乱を起こしては征伐された。
出 典『淮南子』(前2世紀)、司馬遷『史記』(前1世紀)ほか

洪水を引き起こす悪神!?

共工(ゴンゴン、きょうこう)は中国神話に登場する怪物。人面蛇身で朱色の髪の毛を生やし、洪水を引き起こす水神である。祝融(しゅくゆう)の子とされ、炎帝の一族に当たる。天下の覇権を巡って、何度もその時代の支配者に反乱を起こすが、その都度、鎮圧されている。たとえば、女媧(じょか)の時代には祝融に敗れ、天を支える不周山に頭突きして破壊した。このため、伏羲(ふくぎ)と女媧がこれを補修して天地が崩れるのを防いだという。また、顓頊(せんぎょく)の時代にも反乱を起こし、顓頊に鎮圧された。このときにも暴れ回って、不周山を破壊した。結果、天の柱が折れて、天が傾いたという。中国の河川がすべて東南方向に流れているのはこのためだと説明されている。また、堯(ぎょう)の時代にも共工が登場し、舜(しゅん)に天下を禅譲することに反対したという。このため、堯に退けられている。その後、舜の時代にも洪水を引き起こして暴れたため、北方の地へと追放されている。北方に暮らしていた北狄は共工の子孫なのだと記録されている。

本来は、漢民族と長きに亘って争っていた羌(きょう、現在のチャン族)が崇拝している神だったとされ、このために、繰り返し、王権に叛逆する悪神として描かれているとの説もある。

《参考文献》

Last update: 2024/07/07

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