ガルラ
分 類 | メソポタミア神話 |
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𒋼𒇲 〔gal5-la2〕(ガルラ)【シュメル語】 | |
容 姿 | 悪霊。 |
特 徴 | 人間を冥界に連行する悪霊。 |
出 典 | 『イナンナの冥界降り』ほか |
人々を冥界に連行する悪霊!?
ガルラはシュメル神話に登場する悪霊。冥界に棲んでいて、冥界の女王エレシュキガルの命を受けて、不幸な犠牲者を冥界に連行する。子羊を生け贄に捧げることで、ガルラをなだめることができると信じられた。『イナンナの冥界降り』の中で、イナンナが冥界から天界に戻るとき、ガルラたちが同行していた。イナンナが地上に戻るためには、イナンナの身代わりを冥界に送らなければならない。イナンナがドゥムジを指名すると、ガルラたちはドゥムジを冥府に連行した。
『イナンナの冥界降り』では大きなガルラと小さなガルラが登場し、小さなガルラは常に大きなガルラに指示を仰ぐ。『イナンナの冥界降り』におけるガルラの描写が非常に詩的なので、以下、紹介する。
イナンナに同行している者どもは、食物を識らぬ者であり、水を識らぬ者である。彼らは積み上げられた粉を食うことのない者であり、流れる水を飲むことができない者である。人のひざからその妻を奪い取り、乳母のふところから子供を取り去る者である。
『イナンナの冥界降り』より
《参考文献》
- 『古代メソポタミアの神々 世界最古の「王と神の饗宴」』(監:三笠宮崇仁,著:岡田明子/小林登志子,集英社,2000年)
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2020/07/26