ケヨシ

分 類朝鮮伝承
名 称 개여시〔gaeyeosi〕(ケヨシ)【朝鮮語】
容 姿イヌの頭、キツネの身体をした妖怪。
特 徴血を啜った白犬が長生きすると変化する。峠に出現して通行人の魂を抜く。
出 典

ケヨシに飛び越されると魂を抜かれる!?

ケヨシは朝鮮半島南東部の慶尚南道(キョンサンナムト)、特に巨済(コジェ)市と統営(トンヨン)市の怪談に登場する妖怪である。ケヨシというのは慶尚(キョンサン)の方言で「犬狐」というような意味で、その名前が示すとおりに、イヌのような頭とキツネのような身体をしており、ものすごい高速で走る。人間の血を味わった雄の白犬は年月を経て100歳になるとケヨシになるという。そして、鶴洞海岸の峠に通行人がいると現れ、通行人の頭の上で宙返りし、魂を奪うとされた。そのため、ケヨシに飛び越されないように、この峠を通り過ぎるときには頭の上に高い棒などを載せる歩くとよいなどと伝わっていたようだ。ときには女性に化けて男性を誘惑することもあったという。

近年では、バイクなどと同じくらいの速さで走れるなどと信じられている。数名で鶴洞峠をツーリングしているとケヨシが現れるという。気づくと1人が行方不明になって、その後、バイクは見つかるがドライバーは見つからないという。

釜山(プサン)の都市伝説であるチャンサンボムに似ていることから、チャンサンボム伝承はこのケヨシ伝承から派生したのではないかという説もある。

《参考文献》

Last update: 2025/03/31

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