泥田坊(どろたぼう)

分 類日本伝承
名 称 泥田坊(どろたぼう)【日本語】
容 姿片目で3本指の妖怪。
特 徴田を粗末にすると泥の中から出現する。
出 典鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』(1781年)ほか

田を粗末にすると出没!?

泥田坊(どろたぼう)は日本の妖怪。鳥山石燕の妖怪画集『今昔百鬼拾遺』(1781年)に登場する。目は片方だけで、指は3本の妖怪が泥の中から上半身だけを出した姿で描かれている。

鳥山石燕が描いた泥田坊

むかし北国に翁あり。子孫のためにいさゝかの田地をかひ置て、寒暑風雨をさけず時々の耕作おこたらざりしに、この翁死してよりその子酒にふけりて農業を事とせず。はてにはこの田地を他人にうりあたへければ、夜な夜な目の一つあるくろきものいでゝ、田かへせかへせとのゝしりけり。これを泥田坊といふとぞ。

昔、北国に老人がいた。子や孫のために少しばかりの田んぼを買い置き、暑さ寒さや雨風をものともせず、まめに耕作を続けていたが、この老人が死んでしまうと、息子は酒に溺れて農業をしなくなった。ついにはその田んぼを他人に売り渡してしまうと、夜ごとに黒い、一つ目のものが現れて、「田を返せ、返せ」と罵った。これを 泥田坊というそうだ。

(鳥山石燕『今昔百鬼拾遺』上之巻「雲」「泥田坊」より)

鳥山石燕の解説によれば、子や孫のためにせっせと田んぼを耕していた老人の死後、息子は田を耕さず、売り払ってしまった。すると夜な夜な泥の中から泥田坊が出現して、「田を返せ、返せ」と罵るようになったという。

泥田坊は鳥山石燕の創作妖怪だとされているが、昭和の妖怪関連書籍では、この老人が死後、放蕩息子を恨んで泥田坊になったと説明されることもある。あるいは先祖の霊が子孫を戒めるために現れるとも言われる。

《参考文献》

Last update: 2026/01/26

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