バンダースナッチ
分 類 | 近代文学(アリス・シリーズ) |
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Bandersnatch(バンダースナッチ)【英語】 | |
容 姿 | 詳細は不明。鋭い爪、長い首、顎を持つ。 |
特 徴 | 鋭い爪で掴み、首を伸ばして顎で突つく。遭遇した人を恐怖で廃人にする。 |
出 典 | ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』(1871年)、『スナーク狩り』(1876年)ほか |
首を伸ばして獲物を襲う怪物!?
バンダースナッチは、ルイス・キャロルの作品群で言及される謎の怪物。『鏡の国のアリス』では、アリスが鏡の国に入り込んでしまったときに手に取った本に『ジャバウォックの詩』というナンセンス詩が書かれていて、その詩の中にバンダースナッチという怪物が登場する。また、ルイス・キャロルのナンセンス詩の『スナーク狩り』にも登場する。
『ジャバウォックの詩』では、正体不明の怪物ジャバウォックやジャブジャブ鳥と同じ場所に棲息しているようで、「そして回避せよ その燻り狂ったバンダースナッチを!」と説明される。また、白のキングは「よいか、1分間は恐ろしく早く過ぎる。1匹のバンダースナッチを止めようとするようなものだ!」と語っている。しかし、詳細はあまり語られていない。なお、「燻り狂った (frumious)」という語は「怒り狂った (furious)」と「燻った (fuming)」を組み合わせたルイス・キャロルの造語(かばん語)で、バンダースナッチの本質的な性質を記述するためにバンダースナッチに対してのみ用いられる形容詞である。
その後に出版された『スナーク狩り』では、ベルマン船長が8人と1匹の仲間を従えて、スナークという謎の生き物を捕まえるために、ある島に上陸する。銀行家は仲間たちとはぐれて、バンダースナッチと遭遇する。鋭い爪に掴まれ、小切手で懐柔しようとするも、首を伸ばして顎で突つく。銀行家は失神する。仲間たちは銀行家の叫び声を聞いて集まってきたが、銀行家の顔は黒ずんで、恐怖で別人のようになっていた。そして立ち上がって話し出したが、舌が回っていない。何を言っているか分からない。ベルマン船長は銀行家を置き去りにすることにした。
なお、バンダースナッチ(bandersnatch)はbandog《番犬》とsnatch《引っ掻く》の造語(かばん語)との説もあるが、よく分からない。
《参考文献》
Last update: 2021/09/25