足長手長(あしながてなが)

分 類日本伝承
名 称 足長手長(あしながてなが)【日本語】
容 姿足の長い足長が手の長い手長を肩車している。
特 徴海岸に現れる。
出 典寺島良安『和漢三才図会』(1712年)ほか

足の長い足長と手の長い手長!?

足長手長(あしながてなが)は日本伝承に登場する妖怪で、足の長い「足長(あしなが)」と手の長い「手長(てなが)」が対になって現れる。足長国と手長国があって、彼らはそこの住人なのだという。海で漁をするときには、足長と手長の1人ずつの組み合わせで出掛ける。そして足長が手長を肩車して海の深くまで歩いて入り、手長が長い手で海に差し入れて獲物を捕るという。

足長手長の伝承は、元々、中国伝承に起源を持つ。中国古代の地理書『山海経』(前4-3世紀頃)には、長股国に足の長い長股人、長臂国に手の長い長臂人がいると書かれている。

「長股人」と「長臂人」を字義どおりに捉えると、「股」は太腿の部分を指し、「臂」は二の腕の部分を指すが、多くの図像を見ると、長股人は太腿と脛の両方が長く、長臂人も二の腕と前腕の両方が長いので、単純に足や手が長いと解釈するべきであろう。

王圻が編纂した中国の百科事典『三才図会』(1609年)と江戸時代に寺島良安が編纂した百科事典『和漢三才図会』(1712年)には、長脚と長臂の記述がある。長脚は足の長さが3丈(約9メートル)、長臂は腕の長さが2丈(約6メートル)もあるという。また、長脚人が長臂人を背負って海で魚を捕ることも記されている。葛飾北斎や歌川国芳、河鍋暁斎などの画家が好んで題材にしている。長脚と長臂は竜宮に棲んでいる龍王の眷属として描かれることもあったようだ。

松浦静山による江戸時代の随筆『甲子夜話』では、ある武士が夜、平戸の海で夜釣りをしていたところ、9尺(約2.7メートル)の脚を持つ者と遭遇すると、天候が急転して土砂降りに遭ったと載っている。従者は「あれは足長で、足長が出没すると必ず天気が変わる」と説明したという。この『甲子夜話』の記述から、足長手長が現れると天気が悪くなると説明されるようになった。

《参考文献》

Last update: 2026/01/30

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