2024年7月4日 18÷0ってどういうことなのか!?

巷では18÷0が話題になっているようだ。基本的には0で割ってはいけない。そんな風に説明されることもあるし、18÷0=0ということにしましょうという説明もなされるらしい。でも、ボクは基本的にはそういうことではないと思っている。

試しに算数が得意な我が家の息子のツクル氏(小学5年生)に18÷0の答えを訊いてみた。

「ツクル氏、18÷0っていくつになると思う?」
「え? 無限じゃない?(即答)」
「おお、無限か。どうして?」
「え? 違う?」
「や、どうしてそう思った?」
「だって、割り算って、割る数が割られる数の中にいくつ入るかって話でしょ?」
「なるほど、割り算をそういう風に定義しているのね。まあ、その通りだね。完璧だね」
「で、0ってものすごい小さい数だから、18の中にものすごくたくさん入るじゃん」
「うん。たくさん入りそうだね」
「だから無限だよ」

なるほど。ツクル氏は割り算の定義に対して難しいことを言っているが、基本的にはその通りで、a÷bというのは、aの中にbがいくつ含まれるかという意味にとることができる。たとえば、10÷5=2というのは、10個の枠を5人で使うと1人2枠使えるねという意味でもあるし、10個の枠の中に5人組は2組入るという意味にもなる。ツクル氏が言っているのは後者の解釈である。

さて、その上で、このツクル氏の18÷0=∞という解答は正しいのだろうか。イメージを喚起するために、試しに18をいろいろな数で割ってみよう。

18÷18=1
18÷9=2
18÷6=3
18÷2=9
18÷1=18
18÷0.5=36
18÷0.1=180
18÷0.01=1800
18÷0.001=18000

割る数が小さくなればなるほど、答えは大きくなる。割る数が0に近づけば、何だか答えは無限に近づいていきそうな感じではある。おそらく直感的に、こんなイメージが彼の頭の中にあったのだろう。

ところで、割る数をマイナス側から0に近づけたらどうなるだろう。

18÷(-1)=-18
18÷(-0.1)=-180
18÷(-0.01)=-1800
18÷(-0.001)=-18000

負の数で割っていくと、0に近づけば近づくほど、答えはマイナス無限になっていく。というわけで、どうやら18÷0=±∞というのが正解な気がする。どうだろうか。一意に定まらないという意味では、計算機がErrorを返してしまうのも正しいとは思う。でも、少なくとも「18÷0=0ということにしましょう」という感じではなさそうだ。そして、数学的な考え方というのは、こういう風に考えることだとボクは思う。