2023年9月28日 80年代はいい時代

最近、70~80年代の音楽を聴いている。たとえば、ピンク・レディや山口百恵、中森明菜、松田聖子などだ。こういう音楽を聴いても、音楽は革新的だったのだと今でも感じるし、ものすごい昭和の熱気を感じる。決して、今の音楽に引けを取らないし、もしかしたら、今のアーティストよりもうまいかもしれない。今の時代に聞いても、ちゃんと新しさと凄さがある。

ピンク・レディの『UFO』は、彼氏が宇宙人なのではないかと疑う女性の歌だ。そして、彼女は「地球の男に飽きてきた」などと言って、宇宙人かもしれない彼氏を受け入れる。でも、別段、彼が特別な能力を持っているわけでも、人間として外れているわけでもない。ただただ彼女の気持ちをものすごくよく理解してくれて、先回りしてくれるだけだ。結局は、彼女の思い過ごし。この奇妙な描き方は、とても面白い。山口百恵も、若い女性にかなり攻めた歌詞を歌わせることがきっかけで注目された。中森明菜も『少女A』のツッパリっぽい雰囲気が嫌で歌いたがらなかったものを事務所が歌わせている。

結局、分業でうまく行っていた時代ということかもしれない。昨今は、結構、セルフ・プロデュースとかシンガーソングライティングとか言って、個人のチカラみたいなものが評価される。でも、餅は餅屋で、卓越した能力を持つ人たちが分業するスタイルも、ある種、ものすごいパワーを持つのではないか。70~80年代の音楽を聴いていると、そんな気がしてくる。

最近は「個」の時代である。プロデューサの名前で売ってもいいし、アーティストや歌い手の名前で売ってもよい。でも、いろんな人たちが関わりながら、みんなで団結して売りに行くという形も、意外と面白いものだなあ。そんなことを感じながら、昔の音楽を聴いている。