2023年9月4日 テレビから這い出る貞子って、今じゃ「妖怪」か!?

フィリピンの妖怪に「ホワイト・レディ」というのがいる。一般的には、ケソン市でよく知られるタクシーの後部座席に乗る白いドレスの幽霊だ。普通の女性のように乗り込んでくるが、運転手がミラーで見たり、振り返ると、身体が透けていたり、血まみれだったりして、驚くというよくあるタイプの都市伝説っぽい妖怪。ところが、これが現在では道にも出るらしく、運転中にミラーに映り込んだり、あるいは通行人が目撃したりする。フィリピンでは非常に有名な怪談、あるいは都市伝説になっている。

そのヴィジュアルを見ると、白いドレスに黒髪というのが定番になっていて、黒髪を前に垂らしていて、顔が隠れている。何となく「リング」の貞子っぽい。実際に、現在のホワイト・レディのヴィジュアルに関しては、かなりの部分、貞子の影響も指摘されているらしい。

「リング」は1998年に映画化され、2002年にはアメリカで「ザ・リング」として映画化されている。そのヴィジュアルは東洋の幽霊のテンプレートのようになって、全世界に知れ渡ったらしいので、ホワイト・レディに貞子の影響が入り込んでもおかしくはない。そういう意味じゃ、ボクはホラー映画って怖くてあまり見ないんだけど、「リング」って、結構、デザイン面で各方面に大きなインパクトを与えているのかもしれない。

貞子はいろんなところでパロディ化されて、いろんな作品でネタにされるから、ドラキュラとかフランケンシュタインの怪物とかスライムみたいに、もう、「リング」という作品を飛び越えて、普遍的な妖怪になりつつあるのかもしれない。「13日の金曜日」のジェイソンも、ある種のホラー・アイコンみたいになっているもんなあ。日本のホラー・アイコンは貞子かもしれない。そんなことを思いつつ、でも、「リング」を見るのは怖いもんなあ……。うーん。