2023年9月14日 子供たちだけの閉鎖的な社会

ジャニーズが記者会見をして、性加害を認めた。被害者は、これで少しは前に進めるのだろうか。でも、その後の流れの雲行きが少し怪しくて、ボクは少し心配をしている。

それは、東山氏も性加害の側にいたのではないかとか、TOBEをつくったタッキーも、実質、今の被害者たちがジャニーズJr.時代にトップにいたのだから、責任があるのではないかとか、いろいろと飛び火したような語られ方がポツポツと現れたことだ。会社ぐるみで犯罪をすると、こういうことになってしまう。知っていたのか知らなかったのか。加担していたのかしていなかったのか。責任があるのかないのか。

ボクは海外で仕事をすることが多かった。日本人は、少人数のチームで、同じホテルに泊まって、車両を共有しているので、ほとんど朝から晩まで、一緒に活動をする。1か月も2か月もそうやって閉鎖的な社会で暮らしていると、当然、チームの中で不和が生じることも多い。仕事の方向性とか、モチベーションの差とか、能力的な問題とか、生活態度の問題とか、いろんな理由で、ある瞬間に、誰かが輪の中から弾き出される。そういう現象は、いろんなプロジェクトに関わる中で、何度も見てきた。そうなると、その人物はチームから離脱する。そういうことは、実は往々にしてある。

ボク自身は、自分の身を守らなきゃいけないし、親しい仲間を守らなきゃいけない。そういうことに必死だった瞬間もある。誰かが攻撃に晒されたときに、一緒になって加担しないように、距離を置かなきゃいけないこともあった。今まで、見て見ぬ振りをしたつもりはない。加担したつもりもない。でも、プロジェクトの成否を考えて、結果として、誰かを切り捨てる結果になったこともたくさんある。

ジャニーズという会社も、閉鎖的だから、非常に複雑で、どろどろしたものがあっただろうな、とボクは勝手に想像する。誰かひとりが絶対的権力を持てば、媚びる人もいれば、従う人もいる。権力に取り入る人もいる。結果、加担する側に回ってしまう場合だってあるだろう。大人だってうまく立ち回るのは至難の業。難しい環境だ。それでも、子供たちはたくましく生きただろう。善悪はともかく、うまく切り抜けた昇って行った。そういうのも、ある側面では、被害者なのではないか。本当は、大人たちが守ってあげなきゃいけなかった。

望月さんが会見で言及していた書籍を、ボクは読んだことがある。その上で、YouTubeで会見動画を聴きながら、そんなことを感じてしまった。