2021年2月8日 言うだけなら無料(ただ)だ。

日本人は奥床しいな、といつも思う。「あ、違うな」と思うことがあっても黙っている。「そうじゃないんだよ」と思っても、沈黙が金を守っている。忍耐が美徳だと思っている。でも、言うだけなら無料(ただ)だ。そりゃあ、失言をしたら信頼を損なうけれど、そうじゃない場合、言っても失うものはない。だから、ボクは極力、思ったことは言うようにしている。そして、大抵の場合、勇気を出して言ってみたら「あ、面白いね」「それ、採用!」となることが多い。少しドラスティックなくらいの提案でも、実は飲んでもらえることが多いので、言ってよかったと思う。外国にいくと、みんな言いたい放題に言う。仮に却下されたとしても、こちらの払ったコストなんて、言うぞ、という覚悟くらいのもので、実は言っているだけの段階では、ボクたちは失うものなんてないのだ。「否定された」というネガティヴな感情は残るかもしれないけれど、でも、言わなかったら言わなかったで「言えばよかった」という後悔が残るわけで、まあ、今回はダメだったな、と思って諦めるだけの話だ。

だから、ちょっとだけ勇気を出して口に出してみればいい、と思う。ただ、その言葉に固執して、延々と戦うことはオススメしない。否定されたらすぐに引っ込める。受け入れられなかったからと言って悲観する必要もない。相手に納得してもらうことがゴールではない。ボクはこういう考えを持っているぞ、ということをみんなに表明することがゴールで、思いの外、受け入れられることも多いぞ、と気づく。