山童(ヤマワロ)
分 類 | 日本伝承 |
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山童(ヤマワロ)【日本語】 山童(ヤマワラワ)【日本語】 | |
容 姿 | 子供の背丈。胴体が短く、足が長い。全身に細かい毛。1つ目として描かれることも。 |
特 徴 | 河童が山に入ったもの。人間に悪戯を仕掛けたり、人間の仕事を手伝ったりする。 |
出 典 | 寺島良安『和漢三才図会』(1712年)、佐脇嵩之『百怪図巻』(1737年)、鳥山石燕『画図百鬼夜行』(1776年)ほか |
河童は山に入ると山童に変化する!?
山童(ヤマワロ)は山に棲む妖怪。河童(カッパ)の一種で、『和漢三才図絵』によれば、背丈は子供くらい。胴体が短く、足が長く、全身に細かい毛が生えている。九州地方の山に多く出没するとされる。
通常、河童は川に棲んでいるが、一部の河童の仲間は、山に入ると山童になるとされる。春と夏の間は河童として川に棲み、秋の彼岸の頃になると集団で山へ移動し、山童になる。そして春の彼岸の頃になるとまた集団で山から川へと降りてきて河童に戻る。たとえば、熊本県の河童であるガラッパは、山に入ると山童になる。また、奈良県の河童である川太郎は山に入って山太郎に変化する。
山童は尾根伝いに山と川を行き来する。彼岸になると「ヒョーヒョー」と鳴き声を上げて移動する。彼らの通り道に小屋などを建てると怪異が起こり、ひどいときには祟りが起こったという。
山童は樵の仕事を手伝う!?
山童は伐採した木を運ぶなど、樵(きこり)などの山仕事を手伝ってくれる。このときにお礼として酒や魚、握り飯などをやると何度も手伝ってくれるという。ただし、最初に取り交わした約束と同じお礼を与える必要があり、例えば、魚1荷で仕事を頼んだときには、たとえ量が多くても、必ず魚をひとつにまとめてやらないと怒り出す。また、お礼の食べ物を先に渡してしまうと食い逃げされるため、必ず頼んだ仕事が完了してからお礼を渡す必要がある。その他にも、山童と一緒に荷物を運ぶ際、「1、2、3」の掛け声で荷物を降ろすが、山童は「1、2」のタイミングで荷物を降ろしてしまうため、樵たちも「1、2」のタイミングで荷物を降ろす等のノウハウが伝わっている。
山童は河童と同様に相撲が大好きだとされる。また、盗みを働いたり、悪戯をすることもあるので注意が必要だ。
山童は1つ目の妖怪!?
江戸時代の妖怪画『百怪図巻き』や『画図百鬼夜行』などでは、山童は1つ目の姿で描かれている。
《参考文献》
- 『日本妖怪大事典』(編著:村上健司,画:水木しげる,角川文庫,2015年〔2005年〕)
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2022/01/30