ホワイト・レディ
| 分 類 | フィリピン伝承、都市伝説 |
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White Lady（ホワイト・レディ）《白い女》【英語】 | |
| 容 姿 | 真っ白いドレスに長い黒髪の女性の幽霊。 |
| 特 徴 | 道路に出没し、運転手や通行人を驚かせて交通事故を起こそうとする。 |
| 出 典 | － |
道路に出没する白い服の女！？
ホワイト・レディはフィリピン伝承に登場する女性の幽霊。比較的、新しい伝承で、半ば都市伝説的に語られる。白いドレスを着ている若い女性だとされることが多いが、半透明で透けて見えるとか、事故で失血死したために肌そのものが真っ白だなどと言われている。長い黒髪だと説明されることが多い。
よくホワイト・レディの出没する場所として知られるのは、マニラ首都圏の北東に位置するケソン市（旧首都）のバレテ通りだ。そこでタクシー運転手が美しい女性を乗せるわけだが、途中、バックミラーで後部座席を確認すると、女性の顔が血塗れだったり、打撲の痕があって、運転手は驚いて車から飛び出す……というのが大まかな筋書きである。あるいは、振り返ると座席から姿を消しているというヴァージョンもある。そのため、「バレテ通りの幽霊」とも呼ばれる。バレテ通りを運転中に自動車事故で亡くなった女性の幽霊だと説明されることもある。
やがて、ホワイト・レディは、後部座席に乗り込むだけでなく、バレテ通りを横切ったり、運転中にサイドミラーに映り込んだりするようになった。また、バレテ通りだけでなく、フィリピン全土に同様の目撃情報がある。
ホワイト・レディは強い恨みを持っているため、交通事故を引き起こして、相手を道ずれにしようとするらしい。その一方で、それとは真反対に、目撃者に幸運をもたらすというヴァージョンもある。
タガログ族の間では、男性に裏切られたり、殺されたりして無念さを抱えて死んだ女性は、死後、幽霊カペローサになると信じられた。ホワイト・レディも、このカペローサの一種だと言われている。
ホワイト・レディはトイレの怪談にも登場！？
近年では、ホワイト・レディはトイレを舞台にした学校の怪談にも登場する。トイレで用を足した生徒が、やけに風が吹き込んで、肩が寒いな、などと手洗い場の鏡を見ると、真っ白い服を着た黒髪の女性の幽霊が立っていて、肩に青白い手を置いている。そして、老婆のような笑い声をあげる。驚いた生徒は大慌てがトイレの外に逃げ出したという筋書きになっている。この妖怪もまた、フィリピンではホワイト・レディと呼ばれているようだ。
フィリピン各地で、白い服を着た長い黒髪の女性の幽霊という骨格を残して、さまざまな派生ヴァージョンが語られているらしい。
近年、ホワイト・レディは長い黒髪に白いドレスで、顔を髪で隠した姿で描かれることが多い。これは日本のホラー映画に登場する貞子（さだこ）のヴィジュアル・イメージが影響を及ぼしているとされている。
《参考文献》
- 『大迫力！禁断の都市伝説大百科』（監：朝里樹，東西社，2021年）
Last update: 2023/10/07
