ヴィエシュチ
| 分 類 | ヨーロッパ伝承(ポーランド伝承) |
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Vjesci(ヴィエシュチ)【カシューブ語】 Wieszczy(ヴィエシュチ)【ポーランド語】 | |
| 容 姿 | 吸血鬼。 |
| 特 徴 | 吸血鬼。教会の塔に登って金を鳴らし、疫病をばら撒く。 |
| 出 典 | - |
羊膜を被って生まれると吸血鬼になる!?
ヴィエシュチはポーランドのカシューブ地方に伝わる吸血鬼。生まれたときに羊膜(カウル)を被って誕生した赤ん坊は、死後、吸血鬼になると信じられている。その際、この羊膜が赤ければ赤いほど、将来、強力な吸血鬼になる可能性が高いとされた。
羊膜を被って生まれたとは言え、生きている間は普通の人間であり、吸血鬼ではない。顔の血色がよいとか、非常に興奮しやすいなどの特徴が挙げられることがあるが、基本的には人間と見分けがつかない。ただし、死後、吸血鬼の特徴が現れる。
亡くなってからも体温は下がらず、顔色は赤みを帯びたままである。また、死後硬直せず、死後も身体は柔らかいままで、四肢は自由に曲げられる。顔や爪の下などに血の斑点が現れる。そして、埋葬された日の真夜中から、吸血鬼となって甦る。
墓の中で目を覚ますと、まずは自分の死装束や自分の手足の肉を食べ始める。この咀嚼音が墓の外まで聞こえてくるという。その後、墓を抜け出して、自分の家族や親族の家を訪問して血や精気を吸って命を奪う。恐ろしいことに、ヴィエシュチは、教会の塔に登って、鐘を鳴らすことがあるとされる地域もある。その鐘の音を聞いた人間は、たちまち病に倒れて死ぬと信じられていた。あるいは鐘が鳴らされると、その地域一帯に死がばら撒かれると恐れられた。
さまざまな吸血鬼対策!?
このため、カシューブ地方ではさまざまな吸血鬼対策が知られる。ヴィエシュチの場合、生まれたときに被っていた羊膜(カウル)を乾燥させて粉にして、その子供が7歳になったときに飲み物に混ぜて飲ませることで、吸血鬼になる呪いを解くことができるとされた。また、埋葬の際に口の中に十字架や硬貨、一握りの土を詰め込むことで、吸血鬼になることを防げるという。
漁網を棺桶の中に入れる方法も知られる。吸血鬼は結び目を解く習性があるため、1つずつ結び目を解いているうちに審判の日が来るなど時間切れになると信じられたようだ。死体をうつ伏せに寝かせることも有効で、そうしておけば、目が覚めたヴィエシュチは地上ではなく、地下へと掘り進めていくため、墓からは出てこられないとされた。
1870年に「死後に家族を病気にした」として女性の遺体が吸血鬼と疑われて、墓を掘り返して首を切るなどの処置が行われた記録が残されているようだ。
《参考文献》
Last update: 2026/05/03
