ウロンガクシ

分 類朝鮮伝承
名 称 우렁각시u-leong-gag-si〕(ウロンガクシ)《タニシの花嫁》【朝鮮語】
容 姿タニシの中に棲む美しい娘。
特 徴気に入った人間に連れて帰ってもらってこっそりと家事を手伝う。
出 典

タニシの中から美女が登場!?

ウロンガクシは朝鮮半島の昔話に登場する妖怪。普段はタニシの殻の中に身を潜めているが、外に現れたときには美しい女性の姿をしているという。

ある若い独身男性が結婚できずにいた。あるとき、働きながらそのことを嘆いていると、どこからか「それなら一緒に暮らしましょう」と声が聞こえた。その声を辿ってみると1匹のタニシがいた。不思議なことがあるものだと男性はタニシを家に持ち帰り、甕の中で飼った。すると翌日から、仕事から戻ると食卓が整っていたり、すでに掃除が済んでいたりと不思議なことが起こるようになった。

不思議に思った男性が隠れて様子を伺っていると、タニシの中から1人の美しい娘が現れて、食事の準備をしていた。それを見た男性は娘を捕まえて「中に入らないでくれ。一緒に暮らそう」と頼む。しかし娘は「もう少しだけ待って欲しい」とこれを拒む。しかし男はそれを無視して、結局、一緒に暮らし始める。

ある日、男性が仕事に出掛けた際に、美しい娘の噂を聞きつけた郡守(地方官)がやってきて、彼女をさらっていってしまう。男性はあまりの悲しみに泣き続けて死んでしまい、鳥に姿を変えた。娘もそれを悲しんで、後を追うように死んでしまったという。

この昔話では、ウロンガクシは「もう少しだけ待って欲しい」と頼む。しかし、男性がこのお願いを無視したために、結果、役人にさらわれて悲劇になったと解釈されている。

近年では、無理難題を吹っ掛ける役人に若者が立ち向かい、最終的にはウロンガクシの持っていた魔法のアイテムのお陰で勝利し、2人は結ばれて幸せなるという筋書きに改変された昔話がよく知られているようだ。

ちなみに、現代の韓国では、家事代行サービスの会社やアプリに、しばしば「ウロンガクシ」が冠されることがある。また、共働きの夫婦で、相手の帰宅前にこっそりと掃除を済ませたり、サプライズで料理を作っておいたりすることを「今日、私はあなたのウロンガクシになった」などと表現するようだ。

《参考文献》

  • 『한곡 요괴 도감』(著:고성배,2019年)(韓国語)

Last update: 2026/01/23

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