ティクバラン

分 類フィリピン伝承
名 称 Tikbalang(ティクバラン)【フィリピン諸語】
容 姿人間の身体にウマの頭と後脚。背は高く、手足は長い。
特 徴森で旅人を迷わせる。しばしば人間の女性を襲って妊娠させる。
出 典

ティクバランのイラスト

子供の霊、森で旅人を道に迷わせる!?

ティクバランはフィリピンに伝わる怪物。人間の身体に、ウマの頭と後脚を持つ。背が高く、手と足は異様に長い。堕胎した子供が地上でティクバランになるとも信じらていて、森の妖怪のような存在である。森の中に立ち入った人間に幻想を見せてぐるぐると同じ場所を歩かせるなど、道に迷わすような悪戯をする。シャツを裏と表を引っ繰り返して着るとティクバランに化かされなくなると信じられている。また、ティクバランを怒らせないように、森の中では騒がずに静かに通り過ぎるとか、あるいはティクバランに声を掛けて通行の許可を得てから通るなどとも言われる。

晴れている日にパラパラと雨が降ってくると、フィリピンの人は「ティクバランが結婚式を挙げている」と言う。

性欲旺盛で女性を孕ませる!?

ティクバランは森の守護者という側面を持つ一方で、近年では、性欲旺盛で、夜になると人里に降りてきては、女性を襲って妊娠させるとも言われている。そして、ティクバランによって身籠った女性はティクバランを産む。

ティクバランは手懐けられる!?

ティクバランのうなじから背中にかけて、たてがみが生えているが、その中で立派な毛を引き抜くことができると、ティクバランを手懐けることができるという。

ちなみに、元々のフィリピンにはウマは棲息していないので、インドや中国など馬頭観音の姿などに影響を受けた可能性はある。あるいは植民地時代のスペイン人がウマを持ち込んでから今の姿になったのかもしれない。

《参考文献》

Last update: 2024/01/13

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