タンチュン

分 類ベトナム伝承
名 称 Thần trùng(タンチュン)《神虫》【ベトナム語】
Thần Nanh Mỏ Đỏ(タンナインモードー)《赤いくちばしを持った神》【ベトナム語】
容 姿赤いくちばしを持ったカラス。
特 徴死者にとり憑いて、近親者を殺そうとする。
出 典

家族を死に誘う赤いくちばしの死神!?

主にベトナム北部では、タンチュンと呼ばれる死神の存在が広く知られている。ある人間が亡くなったときに、その死者にとり憑いて、連鎖的に身内までもを死に誘おうとする。これを「重喪(チュンタン)」と言って、短期間のうちに家族や近親者が亡くなってしまう。こういう現象は、ベトナムでは、タンチュンという死神の仕業だと考えられていた。

タンチュンはタンナインモードーとも呼ばれている。これは《赤いくちばしを持った神》という意味で、タンチュンは赤いくちばしを持ったカラスのような姿で描かれることがある。このような鳥が墓地や葬儀の場に出現し、くちばしで死者を苛むと考えらえれた。

どうやら、タンチュンは死者の魂を拷問して家族や親族の情報を引き出し、その情報を元に次々と死をもたらそうと画策するようだ。49日が経たないうちは、死者は地上を彷徨っているので、タンチュンは葬儀の場や新しい墓を狙い、死者にとり憑いて、身内の魂も道連れにしようとするのである。

このような「重喪」を防ぐため、葬儀の場で、赤い紙や酒、塩、鶏の頭などを供えて、タンチュンの侵入を防いだり、死者の棺に釘を打つことで、タンチュンが死者の魂にアクセスできないようにするのだという。死者がタンチュンにとり憑かれた場合には、霊媒師がタンチュン解きの儀式を執り行うこともあるという。

《参考文献》

Last update: 2025/09/13

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