スパンキー

分 類イギリス伝承(スコットランド)
名 称 Spunkie(スパンキー)【スコットランド語】
Spunky(スパンキー)【スコットランド語】
※ スコットランド語の《火花》を意味するspunk(スパンク)に由来。
容 姿青白い炎。
特 徴夜道で人を迷わし、沼地や断崖絶壁などに誘い込む。
出 典

夏至や冬至に群れになって飛び回る青白い炎?!

スパンキーはスコットランドに伝わる鬼火の一種で、イングランドに伝わるウィル・オ・ザ・ウィスプのスコットランド版と言える。実体を持った存在として描かれることはほとんどなく、青白い炎のような姿で出没する。地表から90センチメートルほどの高さで上下に揺れていることが多いが、ときには歩く人間の足元でパチパチと火花として跳ねることもあるようだ。

かなり性悪な性格で、暗い夜道で迷った旅人の前に「民家の明かり」や「道しるべの灯」を装って出現し、旅人がその光を追いかけて近づこうとすると、一定の距離を保ったまま遠ざかり、決して追いつくことができない。最終的に旅人を道から外れさせて、沼地や断崖絶壁、川へと誘い込み、転落死させる。獲物を罠に陥れることに成功すると、嘲笑うような声を上げるとも伝えられている。キャロル・ローズはスパンキーはウィル・オ・ザ・ウィスプよりも悪意に満ちていると記述している。

スパンキーは陸で旅人を迷わすだけでなく、海岸付近では、船を難破させることでも知られる。陸地に灯りが見えるため、船はそちらに向かっていき、岩礁に誘い込んで難破するという。イギリスの民俗学会が刊行する『カウンティー・フォークロア』の第7巻(1912年)の中で、作家で歴史家のイヴ・ブランタイヤ・シンプソン氏が「スパンキーは船もたくさん沈めている」と記述している。

同じ『カウンティー・フォークロア』の第8巻(1965年)で、民俗学者のルース・タング氏は、サマセット州の伝承を紹介しているが、洗礼を受けないまま死んだ子供たちの魂が青白く光る炎になって彷徨い出ると信じられていたと記述している。彼らは天国へ行くことも地獄へ行くこともできないまま、最後の審判の日まで現世を彷徨い続けることになるという。

イギリスの伝承では、聖ヨハネの夜(夏至)とハロウィン(冬至)は、霊的な門が開く日で、あの世とこの世の境界が曖昧になる日である。スパンキーにとっても1年に一度の特別な夜で、スパンキーたちはその年に死んだ人間の霊魂の道案内を務めるという。タング氏によれば、サマセット州のストーク・ピアロー教会は諸国のスパンキーたちが集まる場所として知られているようだ。その年に死んだ人間をハロウィンに正式にあの世に送るため、聖ヨハネの祝日(6月24日)の前夜(ミッドサマー・イヴ)になると、スパンキーたちが新しい死者を迎えるために教会に集まるという。そのため、たくさんのスパンキーが群れになって飛び回る幻想的な光景が目撃されるという。

ウィル・オ・ザ・ウィスプと同様に、現代では、沼地から発生するメタンガスなどの自然発火現象がその正体だとされる。

《参考文献》

Last update: 2026/05/10

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