神虫(しんちゅう)

分 類日本伝承
名 称 神虫(しんちゅう)【日本語】
容 姿翅をはやした8本足の巨大な虫。
特 徴疫鬼を捕らえて喰らう善神。
出 典『辟邪絵(益田家本地獄草紙乙巻)』(12世紀)

鬼を喰らう巨大な虫の神!?

神虫(しんちゅう)は『辟邪絵(益田家本地獄草紙乙巻)』(12世紀)に描かれた虫の姿の善神。『辟邪絵』とは疫鬼を懲らしめ退散させる善神を描いた絵のことで、「益田家本地獄草紙乙巻」は平安時代末期頃のもので、天刑星、栴檀乾闥婆、神虫、鍾馗、毘沙門天王の5種類の善神が描かれている。

神虫は8本足で翅を持った巨大な虫のような姿で、鬼たちを押さえつけて食べている絵が描かれている。「瞻部州南方の山のなかにすみてひとつの神虫ありもろもろの虎鬼を食とすあしたに三千ゆふべに三百の鬼をとりてくらふ」という説明が書かれている。つまり、世界の中心である須弥山の南に位置する大陸「贍部洲(我々の暮らす世界)」の南方にある山の中に1匹が棲んでいて、さまざまな種類の鬼を食糧としている。朝に三千、夕方に三百の鬼を捕まえて喰らうという意味である。善神とされているが、口にはたくさんの尖った歯が並び、8本の足で次々と逃げまどう鬼たちを捕らえて喰らっている。地面は血に汚れている。

一説では、神虫は「蠶(さん)」とも呼ばれ、カイコのことだとされる。そのため、神虫の絵は蛾をイメージしているとも言われる。

《参考文献》

Last update: 2025/04/13

サイト内検索