ポンベーロ

分 類南米伝承(パラグアイ)
名 称 Pombero(ポンベーロ)【スペイン語】
容 姿身長120センチメートルほど。小人の精霊。
特 徴ジャングルを守護する。俊敏。変身の能力に長ける。
出 典

ジャングルを守護する密林の忍者!?

ポンベーロは、南米パラグアイのグアラニー族に昔から知られている妖怪。身長120センチメートルほどで、俊敏で、ジャングルの中を大幅なステップで素早く移動できる。また、鳥や動物、樹木などに巧みに化けることができる。ジャングルに侵入してきた人間を見つけると、そっと偵察する。ときには人間の姿に化けることもできる。『南米妖怪図鑑』ではポンベーロのことを「密林の忍者」と称している。

ポンベーロはジャングルを守護する妖怪なので、侵入者にそっと近づくのは、その人間が木を伐採したり、動物を捕獲したりしないかを偵察している。そして、万が一、ジャングルに害をなすと判断すると、誰かの声真似をしたり、猛獣の唸り声を発したり、あちこちから鳥の鳴き声を出したりして、侵入者を混乱させる。激しい雨を降らせることもある。

ポンベーロの名前を三度、口にしたり、夜中に口笛を吹くと出現すると信じられている。そのため、人々はこの妖怪のことをポンベーロと呼ばずに「小人」と婉曲的に呼ぶ。いろいろな悪戯をしてくる。ときにはジャングルで遊ぶ子供の邪魔をする。最悪な場合には、子供をさらうこともある。

ポンベーロはジャングルを守護するだけでなく、ときには困っている人間も助けてくれるので、ジャングルで困ったら、彼らに助けを求めるとよい。また、畑を害から守ってくれ、土窯を守護してくれる。その御礼に酒や煙草をあげる約束をする。ただし、その約束を破ると仕返しされる。

《参考文献》

  • 『南米妖怪図鑑』(文:ホセ・サナルディ,画:セーサル・サナルディ,ロクリン社,2019年)

Last update: 2022/02/06

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