ピー・ナーンラム
分 類 | タイ伝承 |
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ผีนางรำ 〔P̄hī nāng rả〕(ピー・ナーン・ラム)《踊り子の幽霊》【タイ語】 | |
容 姿 | タイの伝統的な踊り子の姿。 |
特 徴 | 非業の死を遂げた幽霊。夜中に出没して踊り続ける。 |
出 典 | - |
夜中に踊る踊り子の幽霊!?
ピー・ナーンラムはタイの伝統的な踊り子の姿をした幽霊。踊り子が非業の死を遂げたが、その怨霊が現世に残って、ずぅっと踊り続けているのだという。
古い話では、ラーマ6世の時代、王立劇場で、チャンというとても美しい踊り子がいた。踊りの技術も高かったという。しかし、あるとき、舞台上で踊っているときに衣装の紐がほどけ、彼女の裸体が露わになってしまった。あまりの恥ずかしさに、彼女はそのまま舞台上で亡くなってしまった。それ以降、彼女の魂は王立劇場に留まり、ときどき、彼女の幽霊が現れたという。そのときにはハウリング音のような恐ろしい音がして、劇場は恐怖に包まれたという。その他にも、他の踊り子に妬まれ、虐げられて命を落としたとか、三角関係の果てに死んだとか、いろいろな話が伝わっているが、いずれにしても、不幸なまま死んだ踊り子の魂が成仏せずにこの世に現れて踊り続けるという点では変わらない。
タイのホラー映画などでは、しばしばピー・ナーンラムが題材に選ばれるが、顔は化粧で白塗りで、目からは血を垂れ流し、手足があらぬ方向に曲がっていたり、ありえないほど背を反らしていたりして、不気味に踊っていて、かなりインパクトのある姿で描かれる。
《参考文献》
Last update: 2024/04/06