パテターロ
分 類 | 南米伝承(コロンビア) |
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Patetarro(パテターロ)《桶足》【スペイン語】 | |
容 姿 | 片足を桶に突っ込んだ巨人。 |
特 徴 | 桶には糞便が入っていて悪臭を放つ。桶が満杯になると畑などにぶちまける。 |
出 典 | - |
糞便を撒き散らす不潔な巨人!?
パテターロは南米コロンビアに伝わる巨人である。その名前はスペイン語で《桶足》だが、その名のとおり、片方の足を桶に突っ込んでいて、悪臭を放っている。実は、桶の中は糞尿でいっぱいで、これが満杯になるとパテターロは農場などに出現して、畑に中身をぶちまける。撒き散らされた汚物のせいで、農作物はあっという間にダメになってしまう。
パテターロは洪水や住人の死を報せる存在として恐れられていて、彼の出現の前兆として、イヌが遠吠えをあげたり、木々が強風に煽られたように激しくざわめくという。そして、集落に出没すると糞便を撒き散らし、不気味な笑い声をあげて去っていく。この笑い声は山や谷に反響するという。
伝説では、パテターロは元々は喧嘩っ早くて女たらしの人間だったが、戦争で片足を負傷し、鉱山の奥に逃げ込んだ。足の傷は悪化し、ついに彼は足を切り落としてグアドゥアという竹の桶で足をつくった。しかし、そのまま死んでしまった。その魂が巨人になって彷徨っているのだという。
《参考文献》
- 『南米妖怪図鑑』(文:ホセ・サナルディ,画:セーサル・サナルディ,ロクリン社,2019年)
Last update: 2022/03/26