パサッサッ

分 類フィリピン伝承
名 称 Pasatsat(パサッサッ)【フィリピン諸語】
容 姿葦の敷布団の包まれた幽霊。
特 徴通り道に出現し、行く手を阻む。何かで突き刺せば消える。
出 典

パサッサッのイラスト

葦の敷布団の包まれた幽霊!?

パサッサッはフィリピン伝承に登場する幽霊である。パンパンガ族の伝承によれば、パサッサッはbanig(バニグ)という葦で編んだ薄い敷布団に包まれたような姿で出現する。第二次世界大戦の時代、特に日本統治下のフィリピンでは、戦争で困窮した現地の人々にとって、死者のために棺桶をつくって埋葬することは容易ではなかった。そのため、遺体はバニグに包んで地中に埋葬された。パサッサッはこのときのイメージを踏襲している。

パサッサッは人里離れた道路や森の小道などに出現し、通行人の行く手を阻む。この幽霊から逃れるためには、バニグを刃物や竹槍などで突き刺さなければならない。そうすると、丸まっていたバニグが解けて中が露わになるが、バニグの中には死体はなく、ただ肉が腐ったような腐敗臭だけが空気中に放出されるという。

《参考文献》

Last update: 2024/02/11

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