塗壁(ぬりかべ)

分 類日本伝承
名 称 塗壁(ぬりかべ)【日本語】
容 姿壁のような姿。
特 徴夜道、通行人の行く手を塞いで邪魔する。
出 典柳田國男『妖怪談義』(1956年)ほか

前に進むのを邪魔する妖怪!?

塗壁(ぬりかべ)と言えば、『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズに登場する大人気キャラクターだ。もともとは九州地方の妖怪で、福岡県遠賀郡(おんがぐん)では、夜、一人で海岸近くを歩いていると、突如、通り道を塞ぐように壁が出現する。壁の横を通り抜けようとしても、壁はどこまでもどこまでも横に続いているため、前に進むことができない。慌てて壁を叩いたりしても、消えることはない。そんなときには、落ち着いて壁の下の部分を棒で突いたり払ったりすると、消えるという。これが塗壁である。しばしば、目に見えない壁のようなものが現れて前に進めないなどと解説されることも多い。

大分市佐伯市に伝わる塗壁の場合は、突然、目の前が真っ暗になるといい、その正体はタヌキで、タヌキが目を塞ぐからだという。

水木しげるは漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の中で、土壁から小さな手足を生やし、小さな目がついている愛らしいキャラクターとして塗壁を描いた。左官ごてを持っていて、名前の示すとおり、何でも自分の身体に塗り込めてしまう。近年の妖怪解説書などでは、この水木しげるの着想を塗壁本来の能力であるかのように解説しているものも多い。

塗壁は3つ目の獣!?

2007年にアメリカ・ユタ州のブリガム・ヤング大学の図書館のコレクションの『化物之繪』(17~18世紀頃)に「ぬりかべ」と書かれた妖怪画があることが判明した。これまで塗壁は絵にされて来なかった妖怪だったため、衝撃を持って受け入れられたが、耳の垂れた3つ目の白いイヌのような姿(鼻のない白いゾウにも見える)で描かれている。

この絵に描かれた怪物が『妖怪談義』で語られる「塗壁」と同一のものかは今も尚、議論がなされているが、近年、この3つ目の獣が道を塞いでいるようなイラストが描かれることが多くなっている。

《参考文献》

Last update: 2026/08/03

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