ミコ・ブルーホ

分 類中米伝承(グアテマラ、エルサルバドル、ニカラグア)
名 称 Mico brujo(ミコ・ブルーホ)《魔術師サル》【スペイン語】
容 姿手足の長いサル。
特 徴魔女が化けたサル。サルの姿で群れになって襲い掛かる。
出 典

魔女、前転して後転してサルに変身!?

ミコ・ブルーホはグアテマラやエルサルバドル、ニカラグアに伝わるサルの妖怪である。手足の長いサルで、木々の間をものすごい速度で飛び回る。凍るような笑い声や恐ろしい叫び声をあげ、屋根伝いに移動し、石を投げたり、群れになって襲い掛かってきたりする。ミコ・ブルーホというのはスペイン語で《魔術師サル》という意味で、実はその正体は魔女で、魔女が特別な呪文で変身したものである。夜中に芽吹くキメラートという樹木の花を取り、呪文を唱えるという。あるいは夜中に前転を3回、後転を3回して、白い器に魂を吐き出すとも言われる。いずれにしても、そうやって、剥がして引き伸ばしたサルの毛皮に自分の魂を乗り移らせる。ある伝承では、この方法でミコ・ブルーホに変身し、自分を捨てた男性に復讐しに行ったという。このようにミコ・ブルーホに狙われた場合、下着を裏返しで履いていれば逃れられると伝えられている。また、トウモロコシやマスタードシード、塩などを投げつけるのも有効だとされている。

《参考文献》

  • 『南米妖怪図鑑』(文:ホセ・サナルディ,画:セーサル・サナルディ,ロクリン社,2019年)

Last update: 2022/04/24

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