メジェド

分 類エジプト神話
名 称 𓂝𓆓𓂧𓐦mḏd〕(メジェド)《打ち倒すもの》【古代エジプト語】
容 姿白い布をかぶった姿。
特 徴冥界にいて、目から光線を放つ。
出 典『死者の書』ほか

メジェドのイラスト

目からビームが出る謎の神さま!?

メジェドは古代エジプトの『死者の書』の中に描かれる謎の神の1柱である。白い布のようなものを頭からかぶり、2本の足だけを突き出したような姿で、布の上に眉毛と目だけがついている。赤い帯を頭や腰に巻いているものも知られる。『死者の書』のいくつかの写本(特にグリーンフィールド・パピルスなど)で、呪文17bにおいて、「私はそれらの中で《打ち倒すもの》の名を知っている。それはオシリスの家におり、目によって撃ち、姿は見えない」などと記述されている。

メジェドは現存する9枚のパピルスにしか登場しないが、エジプト第21王朝(前1077-前943年)の頃にはその存在が遡れる。どうしてこのような不思議な姿なのかは定かではないが、一説では、目に見えない存在を表すために布で覆って隠しているとされる。姿は見えないがメジェドが世界を見て、移動できるため、目と足だけが描かれているというのである。

2021年に東京の森美術館と福岡美術館でグリーンフィールドのパピルスが展示されると、その独特の外見から、日本ではインターネットミームになり、その後、漫画やアニメ、ゲームなどに登場した。近年では、目からビームが出る存在として取り扱われることもある。

《参考文献》

Last update: 2025/03/01

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