マウンミーン・シンピュ・ナッ

分 類ミャンマー伝承
名 称 မြောက်မင်း ရှင်ဖြူ(マウンミーン・シンピュ)《真北の主・白》【ミャンマー語】
容 姿武装し、複数の腕にそれぞれ武器を持った男性神。
特 徴双子神。ドゥッタバウン王に恐れられ、兄弟で戦って相打ちになり、死後、怨霊となった。
出 典

双子の兄弟、相打ちで怨霊と化す!?

ミャンマー(ビルマ)は仏教国として知られる一方、今でも根強く土着の精霊信仰が盛んで、さまざまな精霊(ナッ)が信じられている。

マウンミーン・ナッは、逞しい双子の兄弟のうち、シンピュが死後、精霊ナッと化したもの。兄弟のシンニョもタウンマチー・ナッになった。兄弟はピャーのドゥッタバウン王に仕え、北と南に分かれて、それぞれの徴税官をやっていた。しかし、兄弟があまりにも強く、そして民衆の支持を得ているのを見たドゥッタバウン王は、やがて兄弟が王朝に反逆するのではないかと恐れ、二人を拳闘で争わせ、どちらかが死ぬまで戦うように仕向けた。その結果、兄弟は相討ちとなって死に、シンピュはマウンミーン・ナッとなった。

元々、ピャーで信仰されていた存在だが、後にこの双子の兄弟は、マウン・ティン・デ(後のマハギリ・ナッ)と大蛇の娘シュエナベの間に産まれた子供とされ、マハギリ神話に取り込まれた。なお、このヴァージョンの神話では、この兄弟は卵から産まれたと信じられている。

シンニョとシンピュは武装し、複数の腕にそれぞれ武器を持った姿で描かれる。

《参考文献》

  • 『The Thirty-Seven Nats: A Phase of Spirit-Worship prevailing in Burma』(著:Sir Richard Carnac Temple,1906年)

Last update: 2021/09/30

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