マホマナイ
分 類 | フィリピン伝承 |
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Mahomanay(マホマナイ)【フィリピン諸語】 | |
容 姿 | 白い肌の男性の精霊。 |
特 徴 | 森の動物たちの守護者。 |
出 典 | - |
森を守護する白い肌の精霊たち!?
マホマナイはミンダナオ島のバゴボ地方に伝わる森の精霊。樹木を棲み処にしていて、特にバレテの木に好んで棲むとされる。白い肌をした男性の精霊で、森の動物たちの守護者として、ときには傷ついた動物たちを癒してやり、ときには外敵から護ってやる。マホマナイたちにはタハマリンという女性の連れ合いがいるが、タハマリンたちの方は赤い肌をした精霊だという。
ちなみにバレテの木はフィリピンでは有名な植物で、タハマリン以外にもいろいろな妖怪たちの棲み処になっている。イチジクの仲間で、別名「絞め殺しの木」とも呼ばれていて、他の木に巻きつくように成長し、最終的には宿主になっている木を覆い尽くして枯らしてしまう。そのため、真ん中が空洞になっていたりする。
ビンロウの実を捧げて狩りの許可を得よう?
タハマリンとマホマナイは森の動物たちの守護者ではあるが、必ずしも彼らの棲む森での狩りが禁じられているわけではない。猟師たちは、森に入る際には必ずタハマリンとマホマナイにお供えをして、許可を得てから狩りをする。タハマリンにはキンマの葉を捧げ、マホマナイにはビンロウの実を捧げるのが一般的である。その意味では、無益な殺生は認められていないが、ある程度の狩りは認められていると言える。一方で、彼らに無断で森に侵入して獲物を狩ると、彼らは直ちに猟師たちに罰を与えると信じられているのである。
なお、ビンロウはヤシの仲間で、噛みタバコの原料として用いられる。服用すると軽い興奮と酩酊感が得られるが、依存性がある。ビンロウの実をすり潰してキンマの葉で包み、石灰などと混ぜ合わせる。
《参考文献》
Last update: 2023/06/06