マーロン

分 類ベトナム伝承
名 称 Ma Lon(マーロン)《缶のお化け》【ベトナム語】
容 姿缶の中に宿る霊魂。
特 徴儀式で缶の中に召喚すると缶が追い掛けてくる。
出 典

缶が動き出すので逃げろ!?

マーロンはベトナムに伝わる空き缶のお化け。病気や不運な事故で若くして亡くなった子供が、同年代の子供と一緒に遊びたくて、霊魂になって現世を彷徨っているもので、儀式を行うと缶の中に宿ると信じられている。ここで言う缶は、野菜や果物、ココナッツミルクなどが入った少し太めの缶である。

この儀式のためには缶と線香、煙草を用意する。そして、墓などの近くの広場に集まって、真ん中に缶を置いて、煙草と線香に火をつける。煙草の煙がまるで誰かが吸っているかように一服していれば、マーロンが呼び出された証だ。線香が消えるまではマーロンは缶の中に留まってくれる。缶が飛び跳ねるように動き出し、追い掛けてくるので、みんなで逃げ回るのだという。その際、極力、真っ直ぐに走ると、霊魂は比較的、缶の中に留まってくれるが、あっちこっちに曲がりながら逃げると、霊魂はいなくなってしまうとされた。誰かが缶で足首を殴られるとこの遊びは終了となる。足首が腫れることもあるという。

このような遊びは1980年代から90年代生まれの子供たち(ベトナムでは8x世代とか9x世代と呼ぶ)の間で盛んに行われていたようだ。おそらく肝試しの一種なのだろう。

《参考文献》

Last update: 2024/07/10

サイト内検索