マーガー

分 類ベトナム伝承
名 称 Ma Gà(マーガー)《ニワトリの幽霊》【ベトナム語】
Ma Chài(マーチャイ)【ベトナム語】
Ma Ngũ Hải(マーグーハイ)【ベトナム語】
容 姿壺の中で飼育する精霊。
特 徴家を守護する。生きたニワトリを生贄に捧げる必要がある。
出 典

マーガーのイラスト

壺に飼って育てて家を守護する!?

マーガーはベトナム伝承に登場する守護霊の一種である。ベトナム北方の山岳地帯に暮らすタイー族やヌン族などの少数民族に伝わっている。

マーガーは代々、壷の中で飼育される霊で、その姿は必ずしも明瞭ではない。通常、先祖を祀る祭壇の横に壷が安置される。マーガーはニワトリが大好物なので、マーガーを飼育している家では、月に1回、必ずマーガーに生きたニワトリを捧げる必要がある。うっかりそれを怠ると、家の中の誰かにとり憑いて食べ物を寄越すように要求してくる。マーガーはベトナム語で《ニワトリの幽霊》という意味だが、ニワトリの姿をしているわけではなくて、ニワトリを好むことからその名前で呼ばれているようだ。

また、家で何か催し物を企画する際には、事前にマーガーに伝える儀式を執り行う必要がある。マーガーが同意すれば、催し物はすべて順調に進むという。

マーガーを飼育している家は、何世代にも亘って、このマーガーを受け継いでいくので、日本の「憑きもの筋」に似ている。

マーガーを飼っていると、家と財産を守護してくれるという。たとえば、誰かが家に立ち入って許可なく持ち物を持ち去ると、マーガーはその人間の内臓を喰らい尽くして殺してしまうというから、非常に恐ろしい存在と言える。

《参考文献》

Last update: 2025/06/22

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