クマカトク
分 類 | フィリピン伝承 |
---|---|
Kumakatok(クマカトク)【フィリピン諸語】 Manoktok(マノクトク)【フィリピン諸語】 | |
容 姿 | 黒いローブに身を包んだ3人の幽霊。 |
特 徴 | 扉をノックし、その家の住人の死を知らせる。 |
出 典 | - |
3人組の不気味な死神!?
クマカトクはフィリピンの伝承に登場する3人組の幽霊だ。真っ黒いローブに身を包み、フードでその顔を隠しているが、1人は女性で、残りの2人は年老いた男性だとされる。真夜中に家を訪問し、扉をノックする。扉を開けた人間に、その家の誰かの死が宣告される。それからしばらくして、名指しされた人間は死んでしまう。疫病が蔓延したり、戦争が起こったりするとクマカトクが頻繁に現れるという。
ヴィサヤ地方では、扉に白い十字架を描くことで、クマカトクの訪問を阻止しようとする習慣があった地域もあるようだ。村人たちの家の扉を叩けなくなったクマカトクは、今度は政府機関や病院、教会などの扉を叩くようになったとされる。また、第2次世界大戦の後、クマカトクの出没は大幅に減少したが、これは当時、たくさんの建物が破壊され、クマカトクが叩く扉がなくなったためだと説明される。
これらの記述から考えると、クマカトクは誰かの死を伝えに来る存在ではなく、死神のように誰かを死に誘う存在と言えそうだ。
《参考文献》
Last update: 2023/11/04