こっくりさん
分 類 | 都市伝説、日本伝承 |
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こっくりさん【日本語】 | |
容 姿 | 10円玉に召喚された低級霊。 |
特 徴 | 呼び掛けに応じていろいろな質問に答えてくれる。 |
出 典 | - |
「こっくりさん、こっくりさん。いらっしゃいましたら、こちらへお越しください」
こっくりさんは日本の現代妖怪である。子供たちの遊びの中でしばしば呼び出される。紙を用意して、鳥居、五十音表、「はい」「いいえ」などを書き込み、鳥居の絵の上に10円玉を置く。そして、複数の人間で10円の上に指を置く。それから「こっくりさん、こっくりさん。いらっしゃいましたら、こちらへお越しください」と呪文を唱える。そうすると、こっくりさんが憑依して、誰も力を入れていないのに、勝手に10円玉が五十音表や「はい」「いいえ」の上を移動して、どんな質問にも答えてくれるようになる。
ただし、こっくりさんは「狐狗狸」と書くとおり、低級な動物霊の集合体で、性質はかなり悪い。したがって、無事に送り返すまでは10円玉から指を離してはいけないとか、こっくりさんに対して無礼を働いてはいけないなどのタブーがある。これを犯すと、こっくりさん遊びをしている子供にとり憑いてしまう。こっくりさん遊びの最中に、突然、子供が泣き出したり、暴れ出したりするという。
こっくりさんは、明治期になってヨーロッパから輸入されたテーブル・ターニングに起源を持つとされる。これは人々がテーブルを囲んで、卓上に手を置き、幽霊を呼び出す術だ。降霊術が成功すると、テーブルが傾いたり、回ったり、あるいは脚が音を立てたりするという。従って、「こっくり」という名前も、本来は「狐狗狸」とは無関係で、 テーブルがこっくりと傾いている様子から名付けられたとされている。また、こっくりさん遊びで10円玉が動くのは、一種の自己暗示による催眠で、指の筋肉が無意識に動いていて、自分の望む方向に10円玉を動かしているとされている。
《参考文献》
- 『真夜中の都市伝説 壁女』(著:松山ひろし,イラスト:児嶋都,イースト・プレス,2004年)
Last update: 2023/06/29