キキーモラ

分 類スラヴ伝承
名 称 Кики́мора 〔kikimora〕(キキーモラ)【ロシア語】
容 姿痩せた女の子。
特 徴洗礼を受けず死んだ子供の霊。家に棲み憑き、家事などを手伝う。
出 典

家事手伝いのスラヴの妖精はロシア版の座敷童子!?

スラヴ伝承に登場するロシアの家憑き妖精。洗礼を受けずに死んだ子供の霊とされ、痩せた幼い少女の姿をしていて、いつまでも年を取らないとされる。暖炉のそばに棲み、働き者の主婦がいる家では、夜中に家事を手伝ってくれることもある。特に機織りとは強い関連があるようで、機織りを手伝ってくれることが多い。ただし、夜中に機織り機を動かすため、騒音を立てて眠りを妨げることもある。怠け者の家では、機織り機を滅茶苦茶にしたり、子供を泣かせたり、夜中に大騒ぎして睡眠を邪魔したり、悪夢を見せたり、皿を割る、石を投げるなどの悪戯をして困らせる。病をもたらすこともある。

キキーモラはスラヴ系の夢魔であるモーラの派生形であると考えられている。夢魔というのは眠っている人間の精気を吸い取って憔悴させる悪霊だが、どうも、もともとの夢魔としての特性は大分、薄れているような印象を受ける。どちらかと言えば、日本の座敷童子に似た存在だ。

ビリービンが描いたキキーモラ

イヴァン・ビリービンが描いたキキーモラ

20世紀初めのロシアの画家イヴァン・ビリービンは、キツネやオオカミのような獣の耳を持ち、白鳥のようなくちばし、熊のような胴体、鶏のような足を持ち、頭に頭巾(ずきん)をかぶった不思議なキキーモラの絵を描いている。

《参考文献》

Last update: 2020/05/13

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