カヨーオヤシ
分 類 | アイヌ伝承 |
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Kayó-oyasi(カヨーオヤシ)《人呼びお化け》【アイヌ語】 | |
容 姿 | 声のみで姿は不明。 |
特徴 | 「おーい!」と呼び掛けてくる。声の方に行くと命を取られる。 |
出 典 | - |
妖怪からの呼びかけに応じてはダメ!?
カヨーオヤシは樺太(サハリン)のアイヌ伝承に登場する山の妖怪。声だけで姿は見せない。アイヌ語では「kayó(カヨー)」は《呼ぶ》、「oyasi(オヤシ)」は《お化け》を意味し、カヨーオヤシとは「人呼びお化け」ということになる。山に行くと、しばしば、誰だか分からない人から「おーい」と呼びかけられる。これがカヨーオヤシであった場合、うっかりこの声に反応してついていくと命を取られるという。
カヨーオヤシというのは樺太アイヌの間に伝わる妖怪だが、山の中での呼びかけに応じると不幸が訪れるという伝承は北海道アイヌの間にも伝わっていて、山の中で誰だか分からない人に呼ばれても、すぐに返事をせず、呼び掛けは2度目までは聞き流し、3度呼ばれたときに初めて返事をするという風習や、山の中で声を掛け合うときには、暗号のような言葉で呼び掛け合う風習などが一部の部落で残っている。
《参考文献》
- 『日本妖怪大事典』(画:水木しげる,編著:村上健司,角川書店,2005年)
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
- 『全国妖怪事典』(編:千葉幹夫,小学館ライブラリー,1995年)
- 『アイヌ民譚集 えぞおばけ列伝付』(編訳:知里真志保,岩波文庫,1981年)
Last update: 2016/04/01