カオルさん

分 類都市伝説日本伝承
名 称 カオルさん【日本語】
容 姿陰気な女性。眼帯をしている場合もある。
特 徴ピアスをしている人間の耳を噛みちぎる。
出 典

町中で耳をかじってくる!?

カオルさんは日本の都市伝説に登場する妖怪。町でピアスをしている人を見つけると、その耳に齧りついてくる。そのため、「耳かじり女」とも呼ばれている。

実はこの都市伝説は、別の都市伝説「ピアスの白い糸」を前提としている。あるとき、女性が安全ピンで自分で耳にピアス穴を開けたが、あるとき、ピアス穴から白い糸が出てきた。何だろうと思って引っ張ると、ずるずると糸が出てくる。不思議に思って引っ張り続けると、あるとき、その糸がプツン、と切れ、失明したというものだ。耳から出ていたのは視神経だったのである。当然、耳には視神経などなく、耳にピアス穴を開けることと失明することの因果関係もないのだが、リアリティがあるため、1980年代から語られ続け、そしておそらく現在でも、実しやかに語られている。

1990年代半ばになって、渋谷を中心に、池袋、新宿などで、「耳かじり女」の都市伝説が語られるようになる。町の中で突然、女性が「あなた、ピアスしてる?」と訊いてくる。「していますよ」などと答えようものなら、両腕で頭を押さえつけられ、耳を噛みちぎって去っていく。この女性こそが「ピアノの白い糸」で失明してしまった女性で、名前はカオルさんと言うらしい。失明してしまったことを恨みに思って、ピアスをしている人の耳を齧るようになったのである。近年では、失明していることが分かりやすいようにか、眼帯をした姿で表現されることもある。

《参考文献》

Last update: 2023/07/02

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