チュドゥンイ・ダッパル・コンジ・ダッパル

分 類朝鮮伝承
名 称 주둥이 닷발 꽁지 닷발ju-dung-i das-bal kkong-ji das-bal〕(チュドゥンイ・ダッパル・コンジ・ダッパル)《嘴が5パル、尾が5パル》【朝鮮語】
容 姿怪鳥。嘴が7.5メートル、尾が7.5メートルほど。
特 徴貪欲で残虐。人を喰らう。
出 典

巨大怪鳥の残酷譚

チュドゥンイ・ダッパル・コンジ・ダッパルは朝鮮半島に民話に登場する巨大な鳥の怪物。とても長い名前だが、意味するところは《嘴(くちばし)が5パル、尾が5パル》ということ。1パルが両手を広げたくらい(約1.5メートル)なので、嘴だけで7.5メートル、尾だけで7.5メートルと超巨大であることを表現している。

この怪鳥は非常に残忍な性格で、ある民話では、留守番をしている子供の前に出現して「お前の家族はどこに行ったのか」と話しかけたという。その子供が「母や市場に、父は田んぼに、兄は書堂(ソダン)に儒教を学びに、姉は洗濯に行った」と答えると、怪鳥は「それならお前の母を柿の木に吊るしてやろう」と言い放って飛んで行った。そして市場から戻る母親を殺し、四肢をバラバラにして柿の木に吊るしたという。

書堂から戻った兄はこの事実に激怒し、仇を討つために鳥を探しに出掛けた。そして、幾多の困難の末、怪物の棲み処を突き止め、隠れて様子を窺っていると怪鳥が戻って来て、餅を作った。しかし、途中で出掛けて行った。その隙に兄は餅を平らげた。次の日、怪鳥はお粥を作ったが、これも隠れていた兄はこっそりと平らげた。

空腹になった怪鳥は食事を盗んでいる犯人を見つけようと釜の中に隠れた。それを見た兄は急いで蓋に岩を載せて怪鳥を閉じ込め、そのまま火を焚いて焼き殺して仇を討ったという。

なお、怪鳥を焼いた後に生じた灰から「蚊」が誕生したという説話も残されている。

チョマグとチュドゥンイ:同一系統の怪物の2つの姿

似たような怪物としてチョマグというのも知られている。こちらは四足獣だが、貪欲に人間の食事を盗み食いし、人間を肉スープにして人間に食べさせるなど、似たような存在として語られるため、しばしば同一視されることもある。

チョマグは主に朝鮮半島の北側(現在の北朝鮮)、チュドゥンイ・ダッパル・コンジ・ダッパルは南側(現在の韓国)で知られているので、同じような話が伝播する過程で、一方は獣、他方は鳥として語られていったものと考えられる。

《参考文献》

  • 『한곡 요괴 도감』(著:고성배,2019年)(韓国語)

Last update: 2026/03/20

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