チャトリョン(紫土龍)
| 分 類 | 朝鮮伝承 |
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자토룡 〔ja-to-lyong〕(チャトリョン)《紫土龍》【朝鮮語】 | |
| 容 姿 | 巨大なミミズの精霊。 |
| 特 徴 | 紫の服を着た美男子に化けて、甄萱王の父親となった。 |
| 出 典 | 一然『三国遺事』(1281年頃)ほか |
甄萱王はミミズの精霊の子!?
チャトリョン(紫土龍)は朝鮮半島の伝承に登場するミミズの精霊。「紫のミミズ」という意味である。
僧侶の一然(イルヨン)が著した『三国遺事(サムグクユサ)』(1281年頃)によれば、光州(クァンジュ)に住む長者には娘がいて、容姿端麗だったという。ある日、娘が父親に「夜な夜な紫色の服を着た男性が私の寝室にやってきて、共に過ごす」と言った。父親は「それならば、長い糸を針に通して男の服に刺しておけ」と言った。娘はその夜に言われたとおりにした。夜が明けて娘が糸を辿っていくと、北側の塀の下に、巨大なミミズが死んでいて、針が刺さっていたという。
その後、この娘は妊娠して男の子を産んだが、この男の子が、後に後百済(フベクチェ)の建国者となった甄萱(キョン・フォン)なのだという。

現在の感覚からすると、何故、初代国王がミミズの子とされるのか不思議な感じがするが、人間以外との間には、並外れた能力を持った人間が誕生するとした「異類婚姻譚」があった。また、当時、ミミズは単なる虫ではなく、地の精霊であり「土龍」とも呼ばれていた。百済(ペクチェ)の武王(ムワン)は池の龍から誕生したとされたので、後百歳(フベクチェ)の王も地の龍から誕生したと考えられたのかもしれない。キョン・フォンは最終的には高麗(コリョ)の王建(ワン・ゴン)に敗れるが、「キョン・フォンはミミズの化身なので塩水に弱い。高麗軍が塩水を撒いたので敗北した」という伝承も安東(アンドン)には残っている。
《参考文献》
- 『한곡 요괴 도감』(著:고성배,2019年)(韓国語)
Last update: 2026/01/21
