チャンドゥサ(獐頭蛇)

分 類朝鮮伝承
名 称 장두사jang-du-sa〕(チャンドゥサ)《獐頭蛇》【朝鮮語】
容 姿ノロジカの頭を持った体長7メートルほどの大蛇。
特 徴宋寅の屋敷の小さな穴に棲息。
出 典金時譲『涪渓記聞』(1630-1643年頃)ほか

何もかも元通りにしてしまう謎の大蛇!?

獐頭蛇(チャンドゥサ)は朝鮮半島の伝承に登場するテサ(大蛇)の仲間。頭はノロ(小型のシカ)に似た大蛇で、体長は2キル(約7メートル)ほどだとされる。

チャンドゥサは金時譲(キム・シヤン)が著した『涪渓記聞(プゲキモン)』(1630-1643年頃)に登場する。李氏朝鮮の第11代の中宗(チュンジョン)の時代、王の娘婿で、著名な書道家でもあった二庵(イアム)こと宋寅(ソン・イン)が、チャンドゥサを目撃した記録が残っている。この出来事は歴史書『大東野乗(テドンヤスン)』にも収録されている。

朝鮮時代の伝統的な家屋では、門を入ると左右に伸びた行廊(ヘンラン)と呼ばれる使用人たちが暮らす細長い建物があった。漢城府(ハンソンブ、現在のソウル)にはソン・インの屋敷があったが、夜になると、この屋敷の行廊を何かが通り過ぎるような気配がしたという。そこでソン・インが密かに覗いてみると、1匹の巨大な大蛇が這っていた。この大蛇はノロのような頭(ただし、角は生えていなかったようだ)を持ち、体長は2キルを超えていたという。

人の気配に気づいたチャンドゥサは慌てて逃げていき、南側の階段で姿を消した。ソン・インがその周囲を調べてみると、銭の穴ほどの非常に小さな穴が見つかった。試しに掘ってみたがずっと続いていて終わりが見えなかったので、ソン・インは掘るのは断念して、代わりに穴の入り口を大きな石で塞いでおいた。しかし、2日後に再び、この大蛇が現れて行廊を這っていた。ソン・インが穴を確認すると、石は元あった場所に戻っていて、掘った跡もなくなり、全て元通りになっていたという。ソン・インは薄気味悪さを覚えて、この家を売り払ったという。

漢城府の場所

《参考文献》

  • 『한곡 요괴 도감』(著:고성배,2019年)(韓国語)

Last update: 2026/01/20

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