石鎚山法起坊

分 類日本伝承
名 称 石鎚山法起坊(イシヅチサンホウキボウ)【日本語】
容 姿大天狗。極楽寺の絵には鼻高天狗といて描かれている。
特 徴石鎚山に棲む大天狗。正体は修験道の開祖・役小角だとされ、別格の天狗とされる。
出 典『天狗経』(年代不詳)ほか

法起山の大天狗、その正体は役小角!?

石鎚山法起坊(いしづちさんほうきぼう)は愛媛の石鎚山(天狗岳)に棲む天狗。『天狗経』に書かれている四十八天狗に名前が挙げられている。

石鎚山は西日本に限定すれば最高峰(1,982m)で、修験道や山岳仏教の中心地になっている霊山である。修験道の開祖・685年に役小角が開山したとされ、その後、聖僧・寂仙が石鎚山そのものを「石鎚大権現」として祀って、さらに開山した。空海も石鎚山で修業している。その石鎚山の極楽寺には石鎚山法起坊大天狗の縁起によれば、法起坊は役小角の天狗名で、多くの眷属を従えて、石鎚山の神を守護しているという。

役小角は701年に大阪で亡くなったと伝えられているが、その後、自ら天狗になって、石鎚山に住居を移したということになる。役小角に仕えた前鬼は、大峰山前鬼坊という天狗になって、吉野から熊野に至る山岳地帯(修験道の中心地)を守護しているため、本丸は部下に任せて、自分は隠居したということなのか、標高の高い石鎚山に魅力を感じたのかはよく分からない。日本全国、有数の天狗を並べた「八天狗」には石鎚山法起坊は含まれていないが、いずれにしても、役小角がこの天狗の正体なので、別格の天狗と言える。

《参考文献》

Last update: 2021/03/28

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