イピリャ・イピリャ
| 分 類 | オセアニア伝承(アボリジニ) |
|---|---|
|
Ipilja-ipilja(イピリャ・イピリャ)【アボリジニ語(アニンディリャクワ語)】 Ipilya(イピリャ)【アボリジニ語(アニンディリャクワ語)】 | |
| 容 姿 | 長い髪の毛と髭をはやした虹色の身体の30メートル級の巨大なヤモリ。 |
| 特 徴 | 口から雨雲を吐き出してモンスーンを引き起こす精霊。 |
| 出 典 | - |
乾期を終わらせ、雨期の開始を告げる精霊!?
イピリャ・イピリャ、あるいはイピリャはアボリジニ伝承に登場する精霊。オーストラリア北部のグルートアイランド島のアニンディリャクワ族に雨と雷をもたらす精霊的存在として畏れられていた。全長約100フィート(約30メートル)と非常に巨大なヤモリの姿で、身体の色は鮮やかな虹色で、長い髪の毛と髭(ひげ)をはやしている。
イピリャ・イピリャは普段はアンゴロコ川河口のヌマリカ沼の底で眠っている。しかし、1年に一度だけモンスーンの始まる時期になると沼から這い出して、草と水で腹を満たすと、腹の中のものを一気に空に吹き上げる。そうすると、それが雨雲に変わって、大地に大雨を降らす。これによって乾期が終わり、雨期が始まり、大地に豊穣をもたらすのである。イピリャ・イピリャは自分の仕事に満足すると咆哮をあげるが、それが雷鳴になるという。そして、再び沼の奥底に戻って次のモンスーンの季節まで眠るように静かに過ごす。
イピリャ・イピリャが棲むヌマリカ沼は聖域とされているため、人間が勝手に足を踏み入れることは禁忌とされ、洪水や嵐などで侵入者を罰すると信じられていた。また、その水を飲んだ人間は死ぬと信じられていた。
オーストラリアでは、各地に虹ヘビ伝承が残されているが、グルートアイランド島においては、このイピリャ・イピリャが虹ヘビの一種なのだと考えられている。
《参考文献》
- 『Truth In Fantasy 事典シリーズ 2 幻想動物事典』(著:草野巧,画:シブヤユウジ,新紀元社,1997年)
Last update: 2026/05/10
